なおと世界見聞録(ブータン編)

こんちには!


なおとです。

 


突然ですが、2015年にブータンに訪れた日本人は2437人です。
2015年の東京大学入学者数は3140人です。


つまり東大生に出会うよりもブータンに行ったことがある日本人に出会う方が難しいのです。
僕はそんな希少価値を持つようになりました。


今回のブータン訪問は五泊六日という短い期間でしたが、記憶に残る旅になりました。


ブータンに来たからこそは“幸せ”について考えなければならない、そう思って過ごしていました。

 


ブータンに行って思ったことは、ブータンには何もないということです。
滞在中は基本的に観光をしていたのですが、これまでに行った国にように圧倒すれるような遺跡や誰もが知っているような有名な観光地はないのです。


しかし、ブータンには常に見るものがありました。


パロ空港に着いて飛行機から降りた瞬間その光景に圧倒されました。
空港の建物はブータンの伝統を受け継いだ作りになっていて異国感が漂います。
空港では入国審査の方やその他職員の方が着物のような伝統衣装である「ゴ・キラ」を着ています。
そして何より山間の谷間にある空港を囲む山々がとても美しかったです。
そんな光景に見とれながら空港を出て首都ティンプーに向かいました。
このティンプーへ続く一本道は山と併走するように引かれていて、横には川が流れていました。


このとき僕は思いました。
ブータンの良さはここだと…


ひときわ目立つ何かがあるわけではなく、常に心を穏やかに楽しませてくれるものがありました。


国民の多くは伝統衣装を身にまとい、街並みも海外文化に浸食されることなく、ヒマラヤに囲まれる自然は人工的なものがほとんど入っていません。
さらに人口が少なく、慌ただしさも感じません。


周りを囲む高い山々とヒマラヤ山脈からの雪解け水が流れる川が相まって完成する大自然の中に静寂と美、壮大さの融合がありました。


海外の文化ではなく、ブータンの伝統が色濃く残りそれを国民が大切にしている印象を受けました。


数日間、ブータンを旅しながら考えたブータンの幸せとは、小さな幸せの積み重ねが大きな幸せをうむということです。


贅沢なことを好んだり、自分が上へ上へという気持ちを持つ人にあまり出会いませんでした。
それよりも今を楽しもうであるとか、みんなで幸せを分け合おうよといった場面をよく見かけました。


GDPも低く、人口も少なく、外国へ行く人も少ないブータンでは昔の日本を彷彿させるものがあるのかもしれません。
近所付き合いが強く、第一次産業に従事している人が多いです。
また、友達の友達は友達というように、互いに助け合うからこそ生きていけるそんな雰囲気もありました。


派手な幸せではなく、一人一人が小さな幸せを毎日噛み締めながら生きているから幸せだと言う人が多いのだと思います。


しかし、最近ブータンでは若者を中心に幸せではないと感じる人が増えているらしいです。


そのせいで国民総幸福量も下がっています。
若者が幸せではないと考える大きな要因は失業率にあります。
そして若者の失業率が高い理由は大学を卒業したのに第一次産業に従事することを嫌がるからです。
オフィスワークをしたがる若者で溢れるブータンは失業者が増えています。
そのせいで、薬物に手を出したり、飲んだくれる若者が増えているそうです。


実際僕も1日だけブータンのクラブに連れて行ってもらったのですが、クラブにはブータンらしさは全くなく20代以下しかいませんでした。
来ている人たちの顔を見ると一見楽しそうにはしていますが、どこか不自然でぽっかりあいた穴を埋めているようにも見えました。
きっと昼間に埋めきれなかった何かを夜に発散しようとしているのだと感じました。


ブータンを案内してくれたガイドさんによると、若者は欲求が強いと言っていました。


『あれが欲しい、お金持ちになりたい。綺麗になりたい。海外に行きたい。遊びたい。』


望めば望むほどそれを達成でなかったときは辛くなります。
伝統色が色濃く残るブータンでも最近では少しずつ外国文化も入ってきているので、海外への憧れも強くなります。


若者を中心に幸せではないと感じる理由はここにあります。
流行に敏感で、外国のこともよく知る若者はあらゆる欲が増え、望むものを多くなります。
その結果、多くのことを期待するがあまり、それを手に入れられず不満を持つことになります。


しかし、これはブータンに限ったことではなくどの国も同じだと思います。


第一次産業に従事したくない。あれもこれも欲しい。あの国へに行きたい。』

 


そこで僕が考えた一つの幸せの形は「あれこれと期待しすぎるのではなく、小さな幸せを発見して行く姿勢が大切だ。」ということです。


明日、
四つ葉のクローバーを探してみませんか?
夕陽を眺めてみませんか?

あてもなく散歩してみませんか?
自分の好きな人と話をしてみませんか?
お米の美味しさを噛みしめてませんか?

 

7/11 記